Heiwa Peace Park

ソルトスプリング島にある平和の庭。1880年代にこの島に移民した日本人について書かれたパネルがあります。1895年にこの島に住んでいた日本人は10人。全島民約100人のほぼ一割。当時の新移民は、医者など社会的に地位のある仕事につくことは許されず、農業や漁業などに携わっていました。日系カナダ人はソルトスプリング島の開拓期に大きく関わっています。1941年に第二次世界大戦が始まると日系カナダ人は国籍に関係なく敵性外国人とみなされ、太平洋岸から強制退去を命じられました。ソルトスプリング島からも約70人がカナディアンロッキー近くの強制収容キャンプに送られたそうです。強制収容キャンプに持参していいのは一人一個のトランクだけ。1943年には所有していた車や家、店舗、工場、土地のすべてが国により勝手に競売にかけられてしまい、カナダ西部に住んでいた日系カナダ人は全財産を失いました。男性は家族から離れて内陸の農場で強制労働、拒否すると刑務所行きでした。強制収容キャンプでも強制労働でも日系カナダ人は暴動を起こすこともなく、自分たちで自治会を作り、劣悪な環境でも整然と共同生活をしていたそうです。「日系カナダ人が悪さしたら日本の恥になる」と親たちは子供たちを厳しく教育したとか。1945年の終戦後も日系カナダ人は太平洋沿岸部に戻ることを許されず、東部オンタリオ州に移住するか、戦後の荒れ果てた日本に送還されるかの選択しかなく、日系カナダ人2万人のうち約4千人は日本に行きました。その中には、カナダ生まれで日本語がおぼつかない子供もたくさんいたといいます。1949年になって、ようやく日系カナダ人は居住の自由が認められ、ソルトスプリング島にも数家族が戻ってきました。でも家や農場や船を失った上、人種差別に耐えて暮らしていくのは難しく、結局島に残って土地を買い戻したのは一家族だけ。ソルトスプリング島の地域通貨 Salt Spring Dollars の最高紙幣＄100の肖像は、日系カナダ人の村上キミコさん。1904年に島で生まれた女性なので、第二次世界大戦後に島に戻り、1997年に93歳で他界されるまで、島の人々に愛され続けました。1983年の調査で、日系カナダ人は500万ドルもの財産を没収されていたことが判明。日系カナダ人協会の地道な努力の結果、1988年には強制移住経験のある生存者約1万8千人に、カナダ政府から補償金として一人約2万5千ドルが支払われました。その多くの方が、日本語学校や日系カナダ人関連の施設にそのお金を寄付しました。

A quiet place to enjoy on one of the benches or for just a stroll. A place intended to acknowledge the community who lived here before WW2.